マイホーム購入を決める判断基準のひとつは子どもの年齢?知っておきたい家を買うタイミングの話
子どもが生まれた後、賃貸のままか住まいを購入するか悩む方は30代に多くいます。20代の働き始めの頃より年収が増えて世帯を持つと、新築または中古の家や分譲マンションを購入する、注文住宅を建てるなどして、基盤となる住まいを決めたいと感じるのでしょう。
山田ツトムさん(仮名)ご家族も、子供がひとり生まれて、そろそろ購入を考えようかというところです。ツトムさんは30歳を迎えたところで、妻のユリカさんは現在育休中。いつまで働くのかは未定ですが、賃貸で暮らして毎月家賃が消えていくのは気になっています。とはいえ、いつ頃までに決めるのがいいのかもわかりません。
今回は、「いつ家を買うべきか?」の目安について、年齢や結婚・出産などのライフイベント、収入面から市場の動向や考え、情報をまとめています。
目次
【データで見る】マイホーム購入者の平均年齢とタイミング
注文住宅を建てる世帯主の年齢は30歳~34歳が多い!
まずはSUUMO「2024年 注文住宅動向・トレンド調査」の結果をご紹介しましょう。アンケートによると、世帯主の年齢で割合が多かったのは、1位30歳~34歳(23.9%)、2位35歳~39歳(18.8%)でした。このアンケートは注文住宅についての動向調査ですが、おそらく家の購入を考える方と同世代でしょう。参考にみても大きな問題はないはずです。
住宅ローンを組むことを考えると、30代のうちに建築または購入を考えるのも納得です。たとえば金利がずっと固定のフラット35の場合、35年ローンがいちばん金利を抑えることが出来るため、30歳でローンを組むと65歳に完済となり、支払い計画としても現実的です。仮に40歳でローンを組むと、借りられる金額が少なく最初に頭金が多めに必要となり、予算の関係で購入できる物件や選択肢が限られるかもしれません。ツトムさんはすでに結婚して子供もおり、今は夫婦共働き。30歳で子一人というこのタイミングで、できるだけ若いうちに探し始めるのがベストでしょう。
家を購入するタイミングは、子供が何歳のときが多い?
マイナビニュースのインターネット調査では、以下のような結果が出ています。
Q.次のうち、どのタイミングで家を購入するのがベストだと思いますか?
1位「妊娠前」(30.5%)
2位「3~5歳」(27.7%)
3位「0~2歳」(14.5%)
4位「6~8歳」(10.5%)
5位「12歳以上」(9.2%)
6位「妊娠中」(4.3%)
7位「9~11歳」(3.4%)
妊娠前が一番多いという結果はちょっと驚きですが、妊娠がわかった時点で探し始めておき、安定期のうちに決めて産前に引越しができるのであれば確かにスムーズですね。子供が産まれてからは子育てに追われ、考える余裕もなく、当然ながら引越しも大変になるためです。
山田家はすでに子供が一人いる状態です。仮に次の子を望むのであれば、2人目の妊娠中もタイミングとしてはいいでしょう。子供部屋がいくつ必要なのかというのも、家探しには大事なポイントです。引っ越し後の生活、部屋の使い方が具体的にイメージしやすいからです。
【実際どうなの?】子育てと住環境の関係
子どもが1〜2歳のときに購入を検討する家庭が多い理由
妊娠中の購入がスムーズとはいえ、実際には子供が産まれてから、必要な部屋の数など決めて具体的に動く方が多いでしょう。子供が1~2歳のときに、家を建てる、または購入すると、保育園や幼稚園を選ぶときも決めやすく、近くの公園やコミュニティセンターなどで子育て中のおうちと知り合い、地域に早くから溶け込みやすくなります。
山田家も、子供が1歳でユリカさんは復職予定です。引っ越し後も通勤や通園に困らない場所で探せば、すぐに転園ができなかったとしても困りません。保育園のことを考えると、現在の居住区からあまり遠すぎないところで選択肢を絞って探すのがいいでしょう。
3~5歳の幼児期や、小学校入学後の場合はどうなる?
次に多いと考えられるタイミングは、子供が幼稚園や保育園に通う間、小学校への入学までです。保育園や幼稚園のうちに引越して新しい友だちができれば、入学後に小学校へ馴染みやすいためです。年齢が上がるほど友だちの輪ができて親子ともども馴染みにくく感じやすいので、少しでも早くに決めたい、というのが親心(とくに母親側のキモチ)ではないでしょうか。
とはいえ、いろんな事情で子供の小学校入学後に決めるご家庭も当然あります。入学後に考え始めるなら、子供が通う小学校の学区内で選ぶのがベスト。子供はもちろん、親もいちから知り合いをつくる必要がなく安心でしょう。もし転校が必要な場合は、子供の意見も尊重して一緒に決めると、転校にも多少は納得してくれる...かも?
【買うならいつ?】タイミングを見極める3つのポイント
-
- 子どものライフイベント(入園・入学など)
- 住宅ローン返済開始の年齢(できれば60歳までに完済)
- 金利の変動や補助金制度などの「制度的なチャンス」が利用できるかチェック
子供が入園、入学するタイミングにあわせると、引っ越し後に周囲の環境になじみやすいでしょう。また、住宅ローンのことを踏まえて、60歳までに完済できそうな早めのタイミングがおすすめです。そのほか、金利が低くなっている時期、補助金がいろいろと使えそうなどの社会的な状況も無視できません。住宅ローンや金利、補助金については、別の機会に詳しくまとめます!
【まとめ】正解は「家族にとってベストな時」
世帯主の年齢や年収はもちろん大事な要素ですが、それだけで決めないことが重要です。また、今住んでいるエリアが通勤には便利でも、子育てをする環境としては最適だと感じられないことも充分あるでしょう。
家族それぞれの希望も聞くことです。実際、山田家の家族会議では、ツトムさんはどうせ購入するなら自分の部屋が絶対に欲しいと思っていても、ユリカさんは子供が2人欲しいから子供部屋2つと主寝室、あとはLDKがあればいいと考えていました。さらに、子供が保育園の間は仕事を続けても、小学校入学と同時に辞めたい、または時短勤務にしたいと思っています。そうなると、毎月いくら収入が合って支出はどのくらいかかるのか、資金計画や収支、老後まで考えたライフプランのシミュレーションも再検討が必要になってきます。
そこまで具体的じゃなくても、ぼんやりと「こうなったらいいな」と思っていることは誰にもあるはずです。戸建てを買うのか建てるのか、中古マンションを買ってリフォームするのか等、その人によって暮らしたい環境は異なるはずです。
家族で考えをよく話し合ってから、優先順位を決めて家探しを始めましょう!
執筆:ライターY