離婚で家を売却したらお金はどう分ける?財産分与・住宅ローン・売却代金の考え方

離婚に伴ってマイホームを売却する場合、多くの方が気になるのが「売却代金をどう分けるのか」という点でしょう。不動産は、預貯金とちがって簡単に半分に分けられるものではありません。住宅ローンが残っている場合は売却価格からローン残債や諸費用を差し引き、残ったお金で財産分与を考えることになります。
この記事では、離婚時の不動産売却で整理しておきたいお金の考え方を、事例を交えながら解説します。
目次
- 離婚時の不動産売却でお金の整理が重要な理由
- 離婚時の財産分与とは?家を売るときの基本
- 経験者の体験談を見てみよう
- 税金面で注意したいこと
- 財産分与で後悔しないために準備したいもの
- まとめ|離婚時の家の売却は「いくらで売れるか」だけでなく「いくら残るか」が大切
1.離婚時の不動産売却でお金の整理が重要な理由
離婚にともない不動産を売却した方への調査では、売却を決めた理由として最も多かったのが「財産分与のため」でした。次いで「住宅ローンの整理」が多く、住まいとお金の問題は切り離せないことがわかります。
1-1.家の売却価格の全てが手元に残るわけではないので注意
離婚による不動産売却時の年代は、ブルーボックスの独自調査では30代・40代が多く、住宅ローン残債があったことが考えられます。その場合、当然ながら家が売れたとしても売却価格から残債を差し引く必要があります。ほかにも諸費用を引き、残ったお金が財産分与の対象です。
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項目 |
内容 |
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住宅ローン残債 |
売却時に残っているローン |
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仲介手数料 |
不動産会社へ支払う費用 |
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登記関連費用 |
抵当権抹消など |
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引っ越し費用 |
新生活に必要な費用 |
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税金 |
売却益が出た場合などに発生する可能性 |
不動産を売却する前に確認したいこと、売却の具体的な流れは別コラムでまとめていますので、そちらもご覧ください。
⇒ 離婚時に家は売るべき?住み続けるべき?経験者調査から見る不動産売却の進め方
2.離婚時の財産分与とは?家を売るときの基本
裁判所では、婚姻中に夫婦で協力して取得した財産を、離婚する際または離婚後に分ける事、としています。話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に調停・審判を申し立てる方法も。不動産はそのまま半分渡すというわけにはいかないため、売却して現金化する方が多いのが現状です。
2-1.家を残す場合は、どんな問題が発生する?
もしもそのままマイホームを残す場合、「誰が住むのか」「ローンは誰が払うのか」「将来もし売るとき、元配偶者も関わるのか?」「もしローン債務者が払えなくなった場合に、元配偶者への影響はないのか?」などいろんな問題が残ります。
そもそも、家族で暮らしていた場合、離婚後にひとりで住むには広すぎて売却する方も多いようです。第三者へ売却して現金化したほうが、ローンも整理できて財産分与の金額を決めやすくなります。
2-2.不動産の名義が夫だけでも、財産分与の対象に
住宅ローンは夫の単独名義、不動産の名義も夫のみ、という場合は、果たして財産分与の必要があるのでしょうか。ポイントは、マイホームを取得した時期です。婚姻中に買った、または建てた場合、夫婦で協力して取得・維持してきた財産となり、財産分与の対象として話し合うことになります。
2-3.親からの援助、お互いの貯金を頭金にした場合は注意が必要
マイホームの取得時に親からの資金援助があったり、お互いの貯金から頭金を出したりした場合には、単純に残金を半分ずつとはいかないものです。ただし、例えば妻側の親から500万円の資金援助を受けていたとしても、500万円がそのまま財産分与で追加されて貰えるわけではありません。マイホーム取得時の金額に対して何割出したのか、がポイントになります。余計な揉め事が発生しないよう、専門家に相談するのが安心でしょう。
2-4.結婚前に買っていた家は財産分与しなくてOK、ではない?
まだ独身で結婚の予定もなかったときに購入したマイホームは、どうなるのでしょうか。婚姻中に夫婦で協力して取得・維持した財産にはならないのでは?と思われるかもしれませんが、結婚後も住宅ローンの支払いを続けていた場合、結婚後に支払った分が対象になります。婚姻期間によっては対象になった期間分の財産分与が大きくて、結局は物件を売ることになることもあるかもしれません。
3.経験者の体験談を見てみよう
ここからは実際にあったケースをもとにポイントを見てみましょう。
3-1.【事例1】家を売り、住宅ローンを整理して再出発
- 売却価格:3,200万円
- 住宅ローン残債:2,400万円
- 売却諸費用:120万円
- 手元に残る金額:680万円
中里さん(仮名・40歳男性)は妻と子供の3人家族でしたが、離婚が決って子供は妻が引き取ることになりました。何年か前に中古マンションを中里さんの名義で購入しており、住宅ローンもまだ残っているので、マンションを売ってローンの整理をすることに。不動産会社勤めの友人に相談して売却、住宅ローンや諸費用を差し引いても手元にお金が残るので、その分は財産分与の対象として話し合うことになりました。購入時に頭金を元妻の親から少し出してもらっているので、弁護士とも相談して妻に多めに渡すことで合意。やり取りの方法を決めていなくて連絡がスムーズに取れなかったものの、弁護士もいれての話し合いの場を設けていたので揉めずに済んで安心しました。
Point!
売却によって住宅ローンを完済でき、さらに現金が残る場合はお金の整理もしやすくなります。ただし、購入時の頭金や名義、夫婦それぞれの負担割合などによっては、残った現金の分け方について話し合いが必要になる場合があります。
3-2.【事例】売却しても住宅ローンが残るので、親に頭を下げることに...
- 売却価格:2,600万円
- 住宅ローン残債:2,900万円
- 売却諸費用:100万円
- 不足額:400万円
東さん(仮名・35歳男性)は築浅の中古戸建てを住宅ローンで購入して住んでいましたが、離婚が決まり、住み続けるのも辛いので売却することに。ところが、不動産会社に査定を依頼したところ、住宅ローン残債の金額に届きそうにありません。結局、不足分は親に相談して出してもらって整理することができましたが、出せなかったら任意売却となり金融機関と金額を決めることになったり、売却が決まらなかったら競売になってしまうところでした...。どのみち実家に戻るので、生活費を渡すのとは別で、親にはこれから少しずつ返済をしていく予定です。
Point!
売却価格より住宅ローン残債が多い状態では、すぐに売却を進めることはできません。不動産会社と売却の話を進める前に、金融機関への確認が必要です。財産分与の以前に、ローンをどう完済するか、または不足分をどう負担するかを整理する必要があります。
3-3.【事例】査定額で財産分与を決定したものの、後から追加請求に...!?
安藤さん(仮名・35歳男性)は妻との離婚を機に、自分の実家に戻って生活することに決めました。一人いる子供は妻が引き取り、向こうも実家近くに引っ越しました。マイホームは売ることで双方合意して、不動産会社に査定を依頼。とにかく早く話をつけようと査定額をもとに財産分与の金額も決めた後、マイホームが査定額より高い金額で売却できました。諸費用を差し引いても予定より多く手元にお金が入ったものの、財産分与の取り決めは済んでいるので元妻には話す必要がないかと思っていましたが、手続き関係の連絡を取り合う中で元妻にもその話が伝わり、財産分与の追加請求をされることに。よかれと思って財産分与を早く決めましたが、きちんと売却後に話し合うべきだったと後悔する結果になってしまいました。
Point!
財産分与は原則として一度決めたら覆されるものではありませんが、予定通りの結果にならなかった場合は追加請求になることもあります。売却後に諸費用を引いて残ったお金が明確になってから財産分与を決めるか、今回のように決めたあと多く手元にお金が入った等があれば、情報を相手にも伝えるようにしましょう。
3-4.【事例】離婚後も家は売らずに維持。しかし数年後に問題が...!
水野さん(仮名・37歳男性)は、5年前に離婚して家を出ています。もともと自分の名義で住宅ローンを組んでマイホームを購入しており、離婚を機に売るつもりでいましたが、子供が2人いて、妻と子供たちは住み続けたいと言われてしまいました。毎月の養育費とは別でローンの支払いを続けられるか悩み、結局、自分は実家に戻って家賃をおさえれば何とかなるだろうと合意。手続きや税金関係も面倒で名義変更や譲渡はせずに、離婚後も妻と子供たちが家に住み続けていました。ところが、離婚後につきあい始めた女性と再婚の話が出ており、住んでいないのにローンの支払いを続けるのはおかしいのでは?名義変更するか、こちらが住むことは出来ないのか?などと言われてしまいました。前の家にまた住むつもりはないものの、新たなに家庭を築くとなると元妻に相談は必要そうです。とはいえ家やローンを元妻に名義変更するとなると、それはそれで元妻とかなり揉めそうな予感がします...。
Point!
夫が何らかの事情でローンを支払えなくなった場合、住み続けている妻や子どもの生活に影響する可能性があります。また、家の名義やローン名義がそのままだと、将来売却したいときに再び話し合いが必要になることもあり、住み続けることが最善とは限りません。離婚後もマイホームに住むなら、名義やローン、将来どうするかも元パートナーと話して整理しておくことが必要です。
4.税金面で注意したいこと
ところで、離婚による財産分与にも贈与税や相続税などの税金はかかるものでしょうか。税金がかかる場合とかからない場合があるので、ここでは簡単にご紹介します。個別のケースでどうなるのか知りたい方は、専門家に相談してみましょう。
4-1.財産分与で不動産を渡すと税金がかかる!
国税庁によると、離婚時に財産分与として土地や建物を渡す場合、分与した人に譲渡所得の課税が行われるようです。この場合、分与時の時価が譲渡所得の収入金額になります。
参考:No.3114 離婚して土地建物などを渡したとき(国税庁HP)
4-2.財産を分与される側に贈与税はかからない、は本当か?
離婚により財産をもらった場合、通常なら贈与税はかかりません。ただし、分与額が多い場合や、離婚による財産分与が贈与税・相続税をまぬかれる目的と認められる場合は、贈与税がかかる可能性もあるようです。
参考:No.4414 離婚して財産をもらったとき(国税庁HP)
4-3.マイホームの売却では3,000万円の特別控除を確認すべし
マイホームを売却した場合、一定の要件を満たせば、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。ただし、夫婦など特別な関係にある人への売却は対象外とされているため、元配偶者への売却を検討する場合は注意が必要です。この制度の適用を受けるには、確定申告と譲渡所得の内訳書を用意しましょう。
参考:No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁HP)
5.財産分与で後悔しないために準備したいもの
- 住宅ローン残高がわかる書類
- 購入時の売買契約書
- 登記事項証明書
- 固定資産税納税通知書
- リフォームや修繕の履歴
- (可能なら)複数社の査定結果
マイホームを売却したあと、売却にかかった費用などを差し引いた残りのお金を財産分与で話し合うことになります。きちんとお金を整理するためにも、話し合いの前に必要な情報を揃えておきましょう。
6.まとめ|離婚時の家の売却は「いくらで売れるか」だけでなく「いくら残るか」が大切
離婚による不動産売却では、売却価格だけで判断せずに、住宅ローン残債、売却にかかる諸費用や税金、財産分与のこともあわせて整理していく必要があります。特に売却して現金化する場合、手元にお金が残る場合はどう分けるか、ローンが残る場合はどう負担するかも確認しましょう。離婚による様々なやり取りや手続きは、気持ちに負荷がかかることが多いかもしれません。少しでもトラブルが回避できるよう、今回の記事にまとめた不動産売却による財産分与の考え方や注意点が参考になれば幸いです。
執筆:ライターY
離婚に伴う不動産売却では、まず「今いくらで売れそうか」を知ることが、財産分与や住宅ローン整理の第一歩。ブルーボックスでは、愛知・岐阜・三重エリアの不動産売却についてご相談を承っています。まずは気軽にAI査定してみませんか?
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