いま注目のジャパンディとは?基本概念からリフォーム時の設計ポイント、おすすめアイテム、注意点まで詳しく解説

今、マンション・戸建てのリフォームで最も注目されているキーワードの一つが「ジャパンディ」。日本でも高い人気を誇っている北欧インテリアと、日本の古民家が持つミニマリズムを融合したインテリアデザインが、丁寧な暮らしを求める世界中の人々から高い評価を受けています。このページでは、ジャパンディの基本概念である「侘び寂び」「ヒュッゲ」「ミニマリズム」「ローライフ」を中心にジャパンディスタイルの設計ポイント、おすすめのアイテム、注意点などをご紹介しています。ぜひリフォームを計画される際の参考にしてください。
目次
- ジャパンディとは?(言葉の意味と基本概念)
- ジャパンディスタイルの設計ポイント
- ジャパンディリフォームにおすすめのアイテム
- ジャパンディ以外のリフォームトレンド
- ジャパンディリフォームの注意点
- まとめ
1.ジャパンディとは?(言葉の意味と基本概念)
「ジャパンディ(Japandi)」とは「Japanese」と「Scandinavian」を組み合わせた言葉です。ヒュッゲと呼ばれる北欧の居心地の良い空間デザインに日本の伝統的な生活様式や文化を取り入れた「ジャパンディ」は、丁寧でサスティナブルなライフスタイルを体現するための新たなインテリアデザインとして、ヨーロッパを起点に世界的なブームになっています。
日本では以前から北欧インテリアが高い人気を維持しており、また古民家再生ブームに見られるように和風建築の良さが見直されています。ジャパンディは、こうした現代日本人のトレンドにもマッチしており、今後の日本の住まいのスタンダードになると考えられています。
ジャパンディスタイルの基本概念
①侘び寂び
不完全なものや、経年変化していく自然のありのままの姿に美を見出す日本古来の精神です。
②ヒュッゲ
デンマーク語で「居心地が良い時間」や「心の安らぎ」を意味する北欧の価値観です。
③ミニマリズム
空間のノイズを削ぎ落とし、本当に必要なもの、お気に入りの上質なものだけを厳選する「引き算の美学」です。
④ローライフ
日本の伝統的な「床に座る・寝転ぶ」という床座の文化を現代的に解釈した暮らし方です。
2.ジャパンディスタイルの設計ポイント
ジャパンディスタイルのリフォームを行う際には、以下の要素をふまえて設計することが重要です。
2-1.アースカラーで統一する
ジャパンディデザインは、樹木や植物、土などの自然を感じさせるアースカラーで構成されます。アイボリー、ベージュ、ライトグレーなどの淡い無彩色をベースに、グレージュやセージグリーンなどのくすんだ中間色を合わせ、アクセントとしてブラック系の小物などをプラスするのが一般的です。
2-2.天然素材・自然素材を組み合わせる
ジャパンディデザインでは、オーク、ウォールナットなどの北欧の無垢材や、スギ、ヒノキなどの日本の無垢材に、ラタン、リネン、竹、和紙、陶器など質感のある天然素材をバランスよく組み合わせます。天然素材・自然素材は経年とともに色や質感の変化も楽しめます。
2-3.低重心の家具で空間に余白を残す
ジャパンディの部屋づくりでは、ローソファやローベッドなどの背の低い家具を選びます。また家具や小物を必要最小限に抑えることで、空間に余白を残します。日本の床座のように低い目線で生活することで視界が広く感じられ、落ち着きや開放感を得られます。
2-4.装飾を抑えたシンプルな家具類を選ぶ
ジャパンディには、華美な装飾のないシンプルなデザインの家具や小物がよく調和します。天然素材・自然素材の質感や手作り感、機能美などが感じられ、長く使いたくなる家具や小物を選ぶことは、サスティナビリティにもつながります。
2-5.間接照明で明暗のグラデーションを作る
ジャパンディデザインでは、部屋全体を明るくするのではなく、和紙やリネンを通したやわらかな光や間接照明を使って明暗のグラデーションを作ります。
3.ジャパンディリフォームにおすすめのアイテム
ジャパンディスタイルのリフォームには以下のようなアイテムを選ぶとより効果的です。
床材
ツルツルとした光沢のある合板ではなく、無垢材の質感があり、素足に心地よいフローリングがおすすめです。明るくやわらかいトーンでありながら、節目が主張しすぎないオークやアッシュ系の素材を選びましょう。
壁紙(クロス)
和紙、リネン、綿などの自然素材をモチーフにした織物調クロスや、漆喰や珪藻土の塗り壁をモチーフにした左官調クロスなど、自然を感じさせる質感のある壁紙がおすすめ。実際に左官材を使用すればより効果的です。巾木はできるだけ細く、目立たないものを選びましょう。
ブラインド・カーテン
ナチュラルな木目を活かしたウッドブラインドや、和紙のような風合いのプリーツスクリーン、リネンやコットンなどの素材感を活かしたカーテンがおすすめです。ブラインドやカーテンが際立たないよう、色は壁と同系色を選び、可能であればカーテンレールは隠す仕様にしましょう。
ソファ
一般的なソファよりも座面高が低い、座面高30cm以下のローソファがおすすめです。座面はファブリック素材で、フレームや脚は天然木のものを選びましょう。ソファ自体はアイボリーやグレーなどの淡い色に抑え、オリーブグリーンやテラコッタ色のクッションをアクセントにすると良いでしょう。
ラグ
ソファの足元にウールなどの天然素材の円形ラグを敷くことをおすすめします。四角いソファと少しずらした位置に円形ラグを敷くことで、ソファの角張った印象が薄らぎ、北欧的な居心地の良い空間が生まれます。
テーブル
床座でも使えるローテーブルがおすすめです。楕円形などの丸みのあるデザインで、木目が美しいオークなどの無垢材のテーブルを選ぶと、空間がやさしい印象になります。
照明
和紙をシェードに使った丸型のペンダントライトがジャパンディスタイルの定番です。他にもバブルランプのように丸みがありデザイン性の高い照明や、吹きガラスのペンダントライト、床を照らすタイプのスタンドライトなどがおすすめです。
収納
壁と一体化した扉付きの造作収納を設けておくと、家電、コード類、ゴミ箱、書類など生活感の強いアイテムを視界から遠ざけることができます。取っ手のないプッシュ式の扉にするなど、収納自体が目立たないようなデザインにしましょう。
4.ジャパンディ以外のリフォームトレンド
ジャパンディスタイルは魅力的だけど、他のデザインも検討したい。そんな方のために、現在人気が高まっているジャパンディ以外のスタイルをご紹介します。ジャパンディと同様にシンプルでデザイン性の高い「バイオフィリック」「サスティナブル&スマート」のほか、個性的なスタイルの人気が高まっています。
4-1.バイオフィリック
建築の中に「自然」を積極的に取り込み、外と内をシームレスに繋ぐスタイルです。大開口の窓やインナーテラスを設けて自然光を取り入れるとともに、観葉植物をたくさん置けるように、調湿効果のある建材を多用します。プライベートタイムはもちろん、在宅ワーク中も常に自然を感じられることから、都会にいながら心身をリフレッシュしたい方に人気です。
4-2.サスティナブル&スマート
デザイン性だけでなく、住宅の省エネ化と最先端の機能性を追求したスタイルです。高断熱窓への改修による快適な温度環境をベースに、AI家電やスマートホーム連携を前提としたノイズレスな配線計画によって、光熱費や家事労力を軽減します。タイパを重視し、未来志向の快適な暮らしを求める方に最適です。
4-3.ネオ・クラシック(フレンチモダン)
ヨーロッパの伝統的な建築美である「モールディング(飾り縁)」の装飾に、現代的でシンプルな家具をミックスさせた上品なスタイルです。クラシカルな華やかさと現代のミニマリズムが融合した、海外のインテリア雑誌のような世界観を楽しめます。エレガントで大人可愛い、洗練された住まいを叶えたい方におすすめです。
4-4.ラグジュアリーモダン
大理石やガラス、艶消しの金属など、無機質で上質な素材を大胆に使い、高級ホテルのような非日常感を演出するスタイルです。間接照明を巧みに配置して素材の陰影を際立たせ、生活感を徹底的に排除します。自宅にいながら、極上のリゾート気分とラグジュアリーな開放感を味わいたい方に最適です。
4-5.インダストリアルモダン
コンクリート打ちっぱなしの壁、無骨な黒のアイアン、ヴィンテージ感のあるダークウッドなどを組み合わせた、カッコ良さが際立つスタイルです。あえて配管を露出させるなど、構造のラフさを活かします。カフェのようなお洒落な空間で、音楽やアート、バイクなどの趣味を楽しみたい個性派の方におすすめです。
5.ジャパンディリフォームの注意点
ジャパンディスタイルは現代人の嗜好やライフスタイルとの親和性が高く、人気を集めていますが、いくつかのデメリットがあります。リフォームを行う際には、これらの点に注意して計画を立てましょう。
生活感のない空間を維持しなくてはいけない
ミニマリズムを追求するスタイルのため、出しっぱなしの荷物やカラフルな日用品があると、一気に世界観が崩れてしまいます。リフォーム段階で「すべてのモノの定位置を決めた大容量の隠す収納」を計画しておかないと、日々の片付けが大きな負担になってしまうため注意が必要です。
ローライフが膝や腰への負担になりやすい
家具が低い「ローライフ」は空間を広く見せる一方で、「立ち上がる・座る」という動作の際に膝や腰に負担がかかりやすいという側面があります。ご家族に高齢者がいる場合や、将来のライフステージの変化も想定する場合は、あえて少し座面の高い北欧モダン家具を選ぶなど、計画を微調整する必要があるかもしれません。
材料費や工事費が高くなりやすい
ビニールやプラスチックの質感を嫌うジャパンディでは、無垢材、珪藻土、漆喰、リネンなどの「本物の天然素材」を多く使います。これらは一般的な量産型の壁紙や合板フローリングに比べて材料費が高く、職人の手仕事(左官など)による工期や人件費も増えるため、予算が膨らみがちです。予算計画は慎重に行いましょう。
家具の選択肢が狭まり模様替えがしにくい
ジャパンディは引き算の美学をベースにしているため、選べる家具のデザインやカラーがかなり限定されます。気に入ったからといって、ジャパンディに合わない家具や雑貨を衝動買いし、部屋に置いてしまうと、全体のバランスが崩れてしまいます。世界観を保つためには、衝動買いや模様替えが制限されやすいことをあらかじめ理解し、家族間で共有しておきましょう。
掃除やメンテナンスが難しい
ジャパンディに採用される無垢材の床や珪藻土の壁、織物調クロスなどは、一般的な樹脂建材や樹脂コーティング建材と比べて、傷や汚れが付きやすい傾向があります。また素材によっては洗剤が使えない、ごしごし擦れないなど、メンテナンスに神経を使う場合があります。小さなお子様やペットがいるご家庭では特に注意が必要です。
6.まとめ
北欧の「ヒュッゲ」というライフスタイルに、日本古来の「侘び寂び」「ミニマリズム」「ローライフ」を取り入れたジャパンディスタイルは、丁寧でサスティナブルな暮らしを求める人々から高く評価され、今後の日本の住まいのスタンダードになると言われています。室内にいながら自然を感じ、ゆったりとした時間を過ごせるジャパンディは、多くの情報と機器に囲まれ、ストレスに晒される現代人が幸せに暮らしていくための一つの答えと言えるでしょう。マンションや戸建てのリフォームをご検討の際には、ジャパンディスタイルの導入をぜひご検討ください。
執筆:ライターS
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