子育て世代の住まい選び、戸建てかマンションか、どっちがいい?

子育て世帯で「いつかは戸建て」と夢見る方もいらっしゃるでしょう。実際、愛知県内でも、地域差はあれど木造住宅の戸建ては多く、建築費や物価が高騰していても新築戸建ての人気は一定数あります。とはいえ、本当に戸建てがいいのか、マンションはどうなのか、子育て世帯にとっての最適な選択はどちらなのでしょうか。今回のコラムでは、戸建てとマンションのメリットや費用面などについて、子育て目線で比べてみます。
目次
1.子育て目線での安心感・安全性や便利さは?
まずは、安心感や安全性、便利さにおける戸建てとマンション、それぞれのメリットを考えてみましょう。
1-1.騒がしさや生活音が気にならないのは戸建て
子どもが小さいうちは、マンションで下の階の住人に迷惑をかけていないか、自分たちの生活音が気になるものです。その点、戸建ては部屋で多少走り回ったり泣いたりしても気にならず、よその家まで響くことはありません。また、お庭があればちょっとした外遊びもできるので、プライベート空間でのびのびと動けます。さらに、建物の広さや大きさにもよりますが、部屋数を多めに確保しやすく、子供部屋を作ってあげやすいのも戸建ての良さです。家の前に車が停められるスペースがあれば、駐車場まで歩く必要もなく、外出時や買い物してきたものを運ぶときにも便利ですね。
1-2.セキュリティ面や便利さ、同じ子育て世帯と繋がりやすいのはマンション
一方で、分譲マンションは建物の玄関にオートロックや監視カメラがついている物件もあり、不審者の侵入リスクが低くて安心です。また、お部屋の中に段差が少なく、小さな子どもにとっては転びにくくて安全でしょう。何より、同じくらいの子がいる家庭とつながりやすいのも、マンションの魅力。そのほか、マンションは駅や商業施設の近くなどに建てられやすく、暮らしやすさや利便性の高さもメリットです。通勤や通学に便利だと、子どもが将来、高校や大学を選ぶときも選択肢が増やせるかもしれません。
2.気になる費用面はどうなの?初期費用と維持費用を比較!
| 戸建て | マンション | |
|---|---|---|
| 初期費用 |
土地代+建物代 |
戸建てより土地代の負担少 |
| 維持費用 |
固定資産税、都市計画税 修繕費や給湯設備の交換など高額な出費の可能性も |
固定資産税、管理費、修繕積立金 計画的に修繕費用がとられるものの突発的な高額出費は少ない |
初期費用は戸建てよりマンションのほうが土地代の負担が少なく、抑えられることもあります。維持費用については、マンションのほうが毎月のコストが発生しますが、突発的な修繕費や設備の交換などは戸建てのほうがリスクは高く、どちらが高い、安いとは言い切れません。こうして比較すると、どちらも違いはあれどもそれなりに出費があるため、収支バランスや先々の修繕等を見据えた住宅ローンの計画が重要です。
3.子供の自立に合わせて売却も?資産価値の比較
戸建ての資産価値:
- 土地の価値: 立地が良ければ価値は安定しやすい。
- 建物の価値: 築年数とともに価値が下がりやすい。
マンションの資産価値:
- 立地が重要: 駅近、人気エリアの物件は価値が下がりにくい。
- 建物の価値: 戸建てに比べ、価値が下がるペースは緩やか。
- 流動性の高さ: 立地が良いマンションは、戸建てに比べて売却や賃貸に出しやすい。将来の転勤や住み替えにも柔軟に対応できる。
資産価値の高さにつながる良い立地とは、例えば電車やバスなど交通の便がいいところ、大型商業施設や公共施設の近く、治安の良さや人気があるエリアなどが挙げられます。立地がよければ、戸建ての場合は土地の価格が安定、マンションの場合は物件の価値が下がりにくいと考えられます。建物の価値としては、戸建てはとくに木造だと20年程度でゼロに近くなることもあるため、将来的に売却も考えているなら立地はとくに重要でしょう。マンションは戸建てに比べて価値が下がりにくく、管理が行き届いている物件は20年経っても高い資産価値を維持しやすいようです。立地がいいマンションは戸建てより賃貸や売却に出しやすく、転勤や住み替えにも対応できます。子どもの自立に合わせて住み替えの可能性もあるご家庭なら、マンションの購入がよさそうです。
4.まとめ:子育て世代にオススメしたいマンション購入
- 安心感: セキュリティ、計画的な修繕費用。
- 利便性: 駅近や共用施設の充実。
- 柔軟性: 将来の売却や賃貸のしやすさ。
のびのびと動き回れて「自分たちの城」感が強い戸建ても魅力的ではありますが、庭で遊ぶのは小学生くらいまで、子どもが大きくなると持て余して管理が行き届かないお家も見かけます。同じくらいの子がいる家庭とつながりやすく、修繕や管理をお任せできるマンションは、あまり時間に余裕がない子育て世帯にこそオススメです。広い庭や自由さ、自分たちらしい住まいを実現するなら土地に余裕のある注文住宅が向いていますが、セキュリティや維持費用、そして将来的な流動性も考慮した上で、自分たちにとって最適な住まいはどちらかしっかりと家族で相談して決めましょう。
執筆:ライターY
