和室を子供部屋にするメリット・デメリット、家具・インテリアのポイント解説!

最近では和室ありの物件自体が少なくなっており、その理由のひとつはソファやベッドを使う人が増えて生活様式に合わなくなったためだと言われています。とはいえ、硬いフローリングは、子どもが小さいうちは転ぶと大怪我につながることも。和室のある住まいや和室を子供部屋にするメリット、デメリットなどの情報を知ることで、どんな環境で子育てしていくのか今一度考えてみませんか。狙っている建売住宅や比較的新しい中古の戸建て、中古マンションに畳の部屋があるという方は、ぜひご一読を。
目次
1.和室を子供部屋にすると、どうなる?
まずは和室を子供部屋にするメリット、デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
1-1.メリットは、健康にいい自然素材
天然のい草で編まれた畳の部屋なら、アレルギーの原因となる物質を少なくすることができ、健康にいいと言われています。また、和室は大きな家具を置きにくいからこそ家具の移動や物の配置を柔軟に変えやすく、部屋の使い方も子供の成長にあわせて変えていけるのが大きな利点です。転んでもフローリングの床と比べるとクッション性があり、赤ちゃんや幼児のうちは転倒時の安心感も大きいでしょう。愛知県に限っていえば木造住宅が気候に合うと考えられており、畳の部屋も猛暑である夏も畳なら涼し気、寒暖差が強い冬もフローリングより冷た過ぎず、気候に合っていて過ごしやすいと考えられます。
1-2.デメリットは、メンテナンスに手間がかかること
一方で、畳には定期的なメンテナンスが必要であり、数年で裏返し、さらに表替え、その次は畳まるごと新調というように、状態をみながら手入れしていく必要があります。汚れや傷がつきやすく、お手入れの手間も和室が減少している理由のひとつでしょう。また、子供用品の淡い色遣いやカラフルなオモチャも、渋い雰囲気の和室では合わないことも。子供の好みに部屋のインテリアを変えるのは、テイストによっては難しい場合もあります。
2.和室を子供部屋におすすめする理由
デメリットのほうを考えると子供に和室を使わせて大丈夫なのか心配になりますが、成長にあわせた部屋作りは、子供の自立心や創造性を育むためにも重要です。とくに床に座っておもちゃを広げて遊ぶ幼児のうちは、畳の部屋で机を置かずにのびのびと遊べる環境は最適でしょう。最近では床の間をなくしてクローゼットにしている和室も多く、オモチャや子供用品を片付ける収納場所としても活用できそうです。和室がリビングの隣にあるならキッズスペースとして、成長するにつれて机を置いてお絵かきや工作スペースに、勉強机を置いてランドセル置き場や学習スペースとしても、和室が長く活躍するでしょう。
2-1.和室をキッズスペースや子供部屋にする工夫
畳が傷みにくいよう、鋭利なものを引きずって遊ばないことはもちろん、自然素材のおもちゃを選ぶと傷つきにくくて安心です。畳自体はフローリングほど滑りやすくはありませんが、傷防止のためにマットを敷いて遊ぶ場合は滑りにくいものを導入しましょう。あとは和室に限らず、キッズスペースや子供部屋に関する注意点として、家具を置く場合は角が丸いものにしたりカバーをつけたりする、おもちゃ等はできるだけ収納スペースにおさめて物を出しっぱなしにしないことで、動きやすい環境を整えましょう。
2-2.和室に合った子供部屋インテリアとは?
子供部屋にするなら明るい雰囲気にしたい、とはいえ和風の部屋に合うものに限られるのが和室です。ただ、素材や色に注意して、座卓にも合うクッションを置くなど和のテイストを上手に取り入れると馴染みやすいこと、自然素材のものが多い北欧インテリアを参考にするのもおすすめです。
例えば、おままごとグッズ・キッチンや電車・レールなど、木製でおしゃれなオモチャを選ぶと、和室にも合うでしょう。また、おもちゃ自体はプラ素材だったりカラフルだったりしても、収納棚の色を和室に合う色に統一すると落ち着いた印象に。ただし、すっきりと片付いた和室のままでは、子供部屋としては寂しい気がする...そう感じたら、壁にチョークボードを設置する、木に布を巻いたティピーテントを用意するなど、和室に馴染ませながらも遊び心あるレイアウトにすると楽しめるのではないでしょうか。
インテリアのポイント!
- 木目模様や木、布といった自然素材
- カラーバランスを考えて柔らかい色をベースにする
- 色味は抑えながら遊び心を取り入れる
3.和室のメンテナンスやリフォームについて
ここまでは、和室を子供部屋にするメリット・デメリットや、子供部屋にする際の工夫、インテリアについて紹介してきました。この章では、子供部屋というより、そもそも和室に必要なメンテナンスやリフォームについて見ていきましょう。
3-1.畳の入れ替えはいつ?メンテナンスは大変なの?
和室といっても、障子やふすま、欄間や床の間の有無など、物件によってどんな部屋なのかは異なるでしょう。昔からあるような日本家屋の造りでなければ、最近は欄間も障子もふすまも無し、お手入れといえば畳の掃除や入れ替え等が定期メンテナンスのメインだと思われます。
畳については部屋の使い方によってへたり具合がことなりますが、畳が凹むような尖った家具・重い家具を置かない、布団を敷きっぱなしにしない、日々の掃除をきちんとしていれば、4~5年でまず裏返し、その数年後は表替え、その次は畳ごと新調する、という感じです。最初に新しい畳が入っていたとして、普通の使い方をしていれば5年後にいきなり新調というわけではありません。ホウキや掃除機できちんと埃を除き、湿度にも注意すれば、清潔な状態を保つことが可能です。もしも一時的にカーペットやフローリングマットを敷いて使う場合は、カビ防止マットも敷いて使うと安心でしょう。
3-2.和室を子供部屋にする場合、リフォームは必要?
新築戸建ての建売住宅なら今どきの明るいデザインでしょうが、中古の戸建てやマンションを購入する場合、畳を新調するだけではないリフォームの検討もできます。壁の色を明るくする、ふすま、障子を外してロールスクリーンやカーテン、ドアにする、和過ぎないシンプルな照明に変えることで、洋風のインテリアにマッチしやすく、子供部屋として使いやすくなるでしょう。先のブロックでも書きましたが、床の間がある場合は床の間を収納スペースにすることで、オモチャや本を整理しやすくなってお部屋が整います。
4.「和室あり物件OK」なら選択肢が広がるかも?
今回は、「子育て環境として和室も良いよ!」という内容をご紹介しました。メンテナンスや部屋の使い方など気にする点は洋室と異なりますが、築10年以上の中古マンションなら和室ありの物件もあるのではないでしょうか。リフォームで洋室にしてしまう、リビング横和室ならリビングの一角にしてしまう等もありますが、和室のまま活かすという方法だってアリのはずです。畳と子供の相性は、決して悪くないからです。
10年、20年前と比べると和室ありの物件は人気があまりないかもしれませんが、立地や広さなど他の条件が合う物件なら、和室があるからと選択肢から外さなくてもいいのではと思います。むしろ、普段はベッドで寝ても、インフルエンザなどで隔離生活が必要になったとき、畳の部屋があれば布団を敷くだけで寝られるので便利なこともあります。
新築だとしても和室ありを選ぶかは好みもありますが、和室あり中古物件も購入の候補に入れると、選択肢が広がって良い物件と出会えるのではないでしょうか。
執筆:ライターY
ここまで読んで、和室あり物件を購入したいけどやっぱり和室は洋室等にリフォームしたい!という方は、こちらまでどうぞ。

