コラム 持ち家を検討

2025.12.24

自宅を賃貸に出すなら、管理会社選びも重要!よくある入居者・設備トラブル対策もチェック!

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前回のコラムでは、自宅を貸し出す場合のメリット・デメリット、準備や流れ、賃貸借契約の種類や失敗談をご紹介しました。安定した賃貸経営には、事前にいろんなトラブルがあることを知っておくこと、できれば良いパートナー(管理会社)とともに賃貸の管理を進めることが望ましいでしょう。今回は、自宅を賃貸に出す際に不動産会社へ管理を任せる場合に気にして置くこと、入居者や設備等のよくあるトラブルについてまとめていきます。

目次

  1. 気を付けたい管理会社選びと落とし穴
    1. 一般管理はリターンもリスクも大きい?
    2. サブリースは安心だけど低収入?
    3. 自宅を貸し出すなら、どちらが向いているのか?
  2. 入居中に発生する「設備トラブル」3選
    1. 水回りの故障やトラブル
    2. エアコンやその他設備の不具合やトラブル
    3. 修繕費用の負担区分に関するトラブル
  3. 知っておきたい「入居者トラブル」と対応策
    1. 家賃滞納トラブルと対応策
    2. 騒音・ゴミ出しマナートラブルと対策
    3. 無断居住・ペット飼育トラブルと対策
  4. 自宅を売却ではなく賃貸に出すなら、信頼できる管理会社選びを

1.気を付けたい管理会社選びと落とし穴

自宅を貸し出すと決めたら、まず慎重に決めたいのが「管理委託契約」です。一般管理とサブリースで、また管理会社によっても、委託範囲や管理料の範囲が異なります。管理契約の解約についても違約金が必要になるかどうか異なるため、数社を比較するといいでしょう。ここでは、一般管理とサブリースの違いを見ていきます。

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1-1.一般管理はリターンもリスクも大きい?

一般管理では、物件の所有者であるオーナーが入居者と直接賃貸契約を交わします。管理会社には集金や苦情対応などを委託する方法です。管理料は賃料の数%ほどで安く済むこと、家賃設定も周辺にあわせてご自分で決められること、礼金や賃貸の更新料もそのまま懐に入ること、入居者をご自分で選べることがメリットです。

ただし、入居者がいない期間は、維持費など全てご自分で負担することになるのがデメリットです。また、保証会社を使わない場合、家賃滞納があるとご自分で督促を行うなどの負担が発生してしまいます。そのほか、突発的な修繕対応も費用もオーナー負担になるため、さまざまなリスクがあります。委託範囲についても会社により異なるため、注意が必要でしょう。

1-2.サブリースは安心だけど低収入?

サブリース(一括借上げ)は、管理会社がオーナーから物件を借上げ、それを入居者に貸し出す方法です。この場合、オーナーとなる自分は賃貸契約の当事者にならず、入居促進から契約、集金や入居者とのトラブル対応など全てをお任せできることが多いため、オーナー側の管理の手間がかかりません。入居者がいなくても家賃の8割ほど(管理会社で異なります)は毎月支払われるため、収支管理も明確で確定申告も楽です。

これだけ見るとリスクは少なくて安心なようですが、一般管理より手数料をとられること、礼金や更新料も管理会社の取り分になることが多いこと、何よりオーナー側からの解約は法律によって「正当な理由」がないと難しい場合があることがデメリットです。前回のコラムで書いた「定期借家」であれば期間が明確ですが、そうでない場合はご自分が家に戻りたくても解約できずに困ってしまう、なんてこともありそうです。

1-3.自宅を貸し出すなら、どちらが向いているのか?

手数料を抑えながら収益を最大化したい、貸し出す自宅は駅近くなど利便性が高くて空室リスクが低いなら一般管理がオトクでしょう。とはいえ、転勤が海外だと頻繁に連絡が取りにくいため、一切を丸投げできるサブリースが向いています。また、住宅ローン返済が残っていて、家賃で賄いたい場合、初月から支払いがあるサブリースがいいでしょう。

2.入居中に発生する「設備トラブル」3選

自宅を貸し出す際に避けて通れないのが、建物や設備の修繕です。入居者の過失になるものもありますが、通常利用の範囲内や経年劣化によるものだと、家主が負担しなくてはならないため、事前にどんなトラブルが起こりうるのか把握して必要な対策を考えておきましょう。

2-1.水回りの故障やトラブル

普通に自分たちが住んでいたとしても、水回りは経年劣化により修繕が必要になりやすい箇所です。よくあるトラブルとして、給湯器の故障やパッキンの劣化による漏水などが挙げられます。給湯器については耐用年数が約10~15年のため、あらかじめ修繕費用を積み立てておきましょう。

2-2.エアコンやその他設備の不具合やトラブル

自宅を賃貸に貸し出す場合、(1)前の住人の「残置物」として扱うのか、(2)「付帯設備」として貸すのか、契約書に明記する必要があります。(1)の場合、使うのは問題ないが、壊れても修理や撤去は入居者負担になるため、家主側に修繕コストはかかりませんが、故障しても直してもらえないことがデメリットとなって入居者がなかなか決まらない、あるいは入居前に外して欲しいと言われるかもしれません。(2)の場合、エアコンが使えることも込みで賃貸契約を結ぶことになるため、壊れたら家主が責任を持って修理または買い替えしなければなりません。入居者にとっては安心感があり、設備も整っているため、安心して借りられますが、どちらもリスクがあるため、よく考えてから「特約」として明記しましょう。サブリースで管理会社に多くを任せる場合は、この辺りも担当者に相談されるといいかもしれません。

2-3.修繕費用の負担区分に関するトラブル

現在では国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を基準としており、普通に住んで古くなったり軽く汚れたりした分は家主がすでに受け取っている家賃に含まれているものとされています。壁紙の日焼け、家具の設置跡、次の入居者のための鍵交換やハウスクリーニングは、経年劣化や自然消耗として家主側がクリーニング・修繕を負担します。

一方、タバコやお香によるヤニ汚れ、ペットによる傷や汚れ、ネジや釘による大きな穴、飲み・食べこぼしたシミ、引っ越し時のぶつけ傷、結露の放置によるカビなどは、注意義務違反や過失として入居者がクリーニングや修繕費用を負担することになります。心配な場合は契約書にクリーニング特約を入れて、「退去時のハウスクリーニング費用は、使用状況に関わらず入居者の負担とする」などと入れるのが一般的です。筆者も以前住んでいた賃貸物件は、入居時の契約でクリーニング特約があり、敷金は基本的に返ってこないこと、その費用で退去時のハウスクリーニング等が賄われるため余程のことがない限りは追加費用が発生しないことが明記されていました。

家主の負担

入居者の負担

壁紙(クロス)

冷蔵庫の背面の黒ずみ(電気ヤニ)、ポスターを貼った画鋲の穴、日焼け

タバコの臭いや変色、ペットによるひっかき傷、ネジや釘による大きな穴

床(フローリング・畳)

ワックスの剥がれ、家具を置いていたことによる凹み、日焼けによる変色

飲み物をこぼして放置したことによるシミ・腐食、キャスター付き椅子による深い傷、雨の吹き込みを放置したことによる変色

水回り・設備

浴室やキッチンの設備の経年による故障、パッキンの寿命。

お風呂の掃除を怠ったことによる「落ちないカビやウロコ汚れ」、キッチン周りの「油汚れがこびりついた換気扇」

3.知っておきたい「入居者トラブル」と対応策

自宅を賃貸に出すとなると、どんな人が住むのかわからず、不安な方もいらっしゃるでしょう。実際にどんなトラブルがあるのか、その対策についてもあわせて知っておいてください。

3-1.家賃滞納トラブルと対応策

家主である草野さん(仮名・40歳)は、妻と娘の3人家族です。草野さんの転勤が決まり、迷った末に、家族で赴任先へ引っ越すことを決めました。ただ、娘が中学へ進学する2年後には戻るつもりで、自宅のマンションを賃貸に出すことに。定期借家で家賃を周囲より低めにしたところ、期間の条件付きでも入居者が決定。ところが、3カ月目で家賃の支払い遅れが発生し、その後もたびたび口座引き落としが出来ず、1年後には家賃滞納の状態に。結局、支払いが難しいとのことで予定の期限より早めに退去が決まりました。固定資産税と管理費くらいになればと増益は見込んでいなかったものの、他人が住んだことで、クリーニングやちょっとした修繕も必要になり、最終的にはマイナスに。「どうせマイナスなら、賃貸に出さない方がマシだったかも...」と後悔する結果になってしまいました。

対策:「保証会社の利用が必須」と入居条件に明記する

昔は連帯保証人を立てる方法が一般的でしたが、現在では家賃保証会社への加入を必須条件にするのが一般的となっています。これなら、そもそも家賃の支払い能力があるのか保証会社が審査してくれること、もしも入居者の支払いが遅れたら保証会社が代わりに振り込んでくれること、督促のストレスや滞納続きで強制退去になった場合の法的な手続きやサポートをしてくれることもあるため、オーナーのリスクをかなり軽減してくれます。

3-2.騒音・ゴミ出しマナートラブルと対策

植田さん夫婦(仮名)は夫婦2人暮らし、子供たちはすでに自立しています。ご主人の地元に家を建て、ローンも完済。近所に住むご主人の父親が一人暮らしで、介護の必要も出てきたため、自分たちでお世話できる間は実家で同居することになりました。植田さん夫婦の家をどうするか迷い、いったんは賃貸に出すことにしました。管理会社に一括でお任せして、入居者も決定。ところが、入居者はまだ年若い夫婦でゴミ出しのマナーが悪く、カラスが辺り一帯のゴミを漁るようになってしまって、近隣から大クレームに。管理会社がすぐに動いて散らかったゴミを処理、入居者にもゴミ出しマナーを伝えてトラブルは収まりましたが、植田さん夫婦も今後の付き合いがあるため、周囲に謝罪してまわりました。

対策:トラブル対応にすぐ動いてくれる管理会社を選ぶ

管理会社によって対応範囲や対応できる時間など異なるため、何かあったときにすぐ動いてもらえるのか、ちょっとしたことでも対応してもらえるのかで、大きく変わってきます。いずれ戻るつもりの自宅だから余計に、入居者のマナーに対する周囲の目は無視できません。仮に植田さん夫妻のようにご自身ですぐに対応できる状況だったとしても、自分たちで直接入居者に伝えてトラブル対応するのは大変です。管理会社のサービスを確認して、信頼できる会社に依頼することが、一番の対策です。

3-3.無断居住・ペット飼育トラブルと対策

三木さん(仮名・45歳)は夫婦で分譲マンションに住んでおり、三木さんの転勤をきっかけに、分譲マンションを賃貸に出しました。物件の貸し出しは管理会社にまとめて委託、その分譲マンション自体がペット不可のため、ペット不可の条件で入居者が決定。ところが、入居者が住み始めて半年ほど経った頃、同じマンションの住人が偶然、猫を抱えているのを見かけ、三木さん夫婦に連絡がありました。すぐ管理会社に連絡して確認をお願いしたところ、猫が飼えなくなった知人から預かっていると判明。ともかくこの物件はペット不可で規約違反なので、すぐ飼育をやめるよう伝え、別の知人に預けてもらうことになりました。

対策:ペット不可の明記はもちろん、違約金も契約時に明記

マンション全体がペット不可であり、最初から賃貸の条件に明記していても、こっそり飼う人が出ないとは限りません。ペット飼育により臭いや傷がつく可能性もあるため、無断飼育が発覚した場合の違約金支払い義務、原状回復費用の全額負担などを契約書に特約として明記することで、抑止力になるでしょう。その上で、管理会社による巡回も可能なら依頼すると、早期発見につながります。ペットはもちろん、契約者以外の人が住んでいる場合や同居人がいつの間にか増えている場合も発見しやすくなります。ただ、規約違反であってもすぐに強制退去はできません。まずは事実確認と是正勧告、書面による警告と、段階をふんで対応していくことが大切です。

4.自宅を売却ではなく賃貸に出すなら、信頼できる管理会社選びを

今回ご紹介したように、実際に入居者が住んでから起きるトラブルもあります。事前に知っておくことで準備や対策が取れますが、100%問題ない、とは言い切れません。大事な資産である自宅を守るためにも、トラブルを最小限に抑えて迅速に解決してくれるような、信頼できる管理会社を選ぶことをおすすめします!

次回も、自宅を賃貸に出す際に関わってくる税金関係や住宅ローンの有無、退去時や退去後の注意点をご紹介予定です。これから自宅を賃貸にとお考えの方は、そちらも合わせてぜひご一読ください。

執筆:ライターY

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