築20年以上の家を賃貸に出すなら、投資家も注目の譲渡型賃貸?よくある退去トラブルや対策もあわせて紹介

転勤や介護など、さまざまな事情でマイホームを賃貸に出すなら、退去時によくあるトラブルや、譲渡型賃貸住宅についてもぜひ知っておきたいところです。この記事では、退去時のトラブルや対策、譲渡型賃貸のしくみや他の賃貸との違い、メリット・デメリットについてもご紹介します。近い将来、持ち家を貸し出すか悩んでいる方、今すでに貸している方も、これから家を購入予定の転勤族の方もぜひご覧ください。
目次
1.よくある退去時の賃貸トラブルとは?
どこまでが経年劣化で、どこからが入居者負担になるのか、その境界線で揉めることはよくあります。壁が黒く汚れていたとして、冷蔵庫の後ろの黒ずみなら普通に生活した結果の経年劣化でクロスの貼り替えは家主負担ですが、お香やタバコのヤニ汚れによるクロスの貼り替えなら入居者負担になります。そもそも、国交省が定める原状回復ガイドラインでは、6年で壁紙の価値は1円になる等と書かれています。いずれ自宅に戻るつもりで綺麗に使って欲しいと望んでいても、現実には汚れていくものです。期待しすぎない貸し出す側の心づもりも、多少は必要かもしれません。とはいえ、非常識な使われ方をしないよう、対策しておきたいところです。
1-1.賃貸契約にクリーニング特約を具体的な金額も入れて記載
退去時にハウルクリーニング代を支払う、といった特約を契約書に書いていたとしても、金額が明記されていなかったり、高額すぎたりすると、「綺麗に使ったから支払いしたくない」「高額すぎるのは不当請求ではないか」など無効になってしまい、本当に必要だったとしても支払ってもらえないケースもあります。
そのため、契約時にあらかじめ金額も記載し、入居者にしっかりと説明して署名をもらうようにしましょう。
1-2.設備を壊したことを隠したまま退去も
子供がぎゅっと押して網戸がやぶれてしまった、暖房器具の不用意な使い方で床が焦げてしまった、ガチャガチャと回し過ぎてドアノブが壊れているなど、よく確認しないとわからない設備不良は、賃貸マナーとしては壊れた時点で管理会社や大家に連絡することが望ましいものです。ただ、言わないまま退去する人も中にはいます。家主側も退去立ち合い時に見落としてしまうと、あとから発覚して修繕が必要になっても、請求するのは難しくなります。対策としては、管理会社によるプロの立ち合い、入居時の現況写真との比較などがいいでしょう。
1-3.ゴミだと思って処分したら、返却を求められる⁉
入居者がカーテンや壊れた家電、いらない家具などを「次の人のために置いておきます」と勝手に残していくことがあります。撤去するにも費用がかかるものの、次の入居者にとっては邪魔になるため不良品回収に出したら、「やっぱり返して欲しい」と言われてトラブルになることも。そのため、契約書に「残置物の放棄」についても記載し、何も残っていないことを退去立ち合いで確認してからカギを受け取るようにしましょう。
1-4.退去立ち合いで揉めて口論に⁉
先に書いたように、どこまでが経年劣化、どこからは入居者負担になるのか、どうしても曖昧な部分はあります。素人同士で話すと感情的になり、かえって揉め事に発展してしまうことも。そのため、費用はかかったとしても管理会社に任せて、知識のあるプロが入居時・退去時の立ち合いをすることで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
自宅が新築ほやほやだったり、まだ築10年前後だったりでいずれ戻る予定の人は、さまざまな対策をしておきたいところです。ただ、築20年以上経っており、実家を継ぐことになって自宅を持て余していて最終的に売却も考えている方なら、「譲渡型賃貸」の情報も知っておいて損はありません。
2.譲渡型賃貸ってどんな仕組み?
譲渡型賃貸住宅は、賃貸契約に基づいて一定期間後に物件の所有権が賃借人へ移転される住宅です。自宅を貸し出す側にとっては、一定期間の家賃収入と売却までがスムーズ、借りる側にとっては家賃を支払うことで将来的に家が買えるので、お互いにメリットのある仕組みになっています。ただし、投資として譲渡型賃貸も注目されていますが、全ての不動産会社が譲渡型賃貸を扱っているとは限りません。比較的新しい概念のため、まずは問合せや相談してみるのがいいでしょう。
2-1.貸し出す側のメリットは?
- 出口戦略が決まる
- 入居者に丁寧に住んでもらえる
- 修繕コストを抑えられる
- 空室リスクの軽減
譲渡型賃貸は、期間満了と同時に売却が完了するイメージです。持ち家を将来的に手放すことも考えているなら、譲渡型賃貸として貸し出すことで、「将来この家をどうしようか?」という不安がなくなります。入居者にとっても将来的に自分たちの家になるため、出来るだけ綺麗に住もうという意識が働き、家が綺麗に保たれやすくなるでしょう。購入予定で住み始めるため、短期間で退去することはあまりなく、空室リスクも軽減されます。さらに、「いずれ自分の家になるため小さな不具合や電球交換などは自分で直してもらう」という修繕義務も譲渡する契約形態にしておくことで、オーナー側の突発的な出費を減らすことも可能です。
2-2.貸し手のデメリットやリスクは?
- 住宅ローンの問題
- 価値変動リスク
- 長期の資金拘束
- 途中解約トラブル
住宅ローンが残っている物件を譲渡型賃貸として貸し出すのは、銀行からするとNGです。前回のコラムでも書いたように、そもそも住宅ローンが残る持ち家を貸し出すのは原則NGで、いずれ戻ることを前提として、一時的に転勤や介護などの正当な理由で自宅を離れる場合なら、賃貸に出すことが審査で認められるかもしれない、という状態です。最初から譲渡を前提にした場合、銀行から実質的な売却とみんされて、一括返済を迫られるかもしれません。
また、戸建てもマンションも基本的には年数が経つと建物の価値は下がっていくものですが、土地の価格は変動します。仮に契約を結んだあと、エリア全体で地価が上がったとしても、あとから希望する金額に値上げすることはできません。道路整備や商業施設が出来る予定はあるのかなども、事前に情報を調べて検討しておくべきでしょう。収入面でも、一度に売却代金が入らないため、すぐにまとまった現金が欲しい場合にはデメリットとなるでしょう。そして、入居者がなにかの理由で「やっぱり購入はやめて退去したい」となったら、それまでに支払われた家賃をどうするのかで揉めることもあります。そうしたデメリットやリスクがあることも把握した上で決めましょう。
3.自宅を貸し出していずれ戻るのか、売却または譲渡型賃貸か?
譲渡型賃貸に関しては住宅ローンの支払いが残っていないことが前提になりますが、あとは将来的にどこで暮らしていくのか、どんな可能性があるのかをご家族で話し合って方針を決めることをおすすめします。転勤を機にマイホームの貸し出しを検討しているなら、単身赴任にする、仕事をかえる、という手もあるでしょう。これからの計画やタイミングも、自宅をどうするのかの重要な判断材料になります。
家を賃貸に出すコラム、これまでに続けて3本更新して、賃貸契約の条件や管理会社選び、さまざまな賃貸トラブルがあること、住宅ローンのことや確定申告などお金のことをご紹介してきました。もしも持ち家を貸し出す場合は、今回の記事に加えて、これまでのコラムもぜひ参考にご覧ください。
執筆:ライターY
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