賃貸経営ニュース
2026年2月1日
インフレ時代に対応する!収入源の多角化とは?

賃貸経営において、収入源の「多角化」が必要な理由
現在、賃貸経営を取り巻く環境は大きく変化しています。
物価や人件費の高騰により、修繕費、共用部の電気代が上昇する一方で、家賃を引き上げるのは簡単ではありません。
たとえ家賃を引き上げられてもコスト上昇分を上回るのは簡単ではないでしょう。
たとえば、建設物価調査会によると、東京地区のRC造マンションの建築費指数は、2025年11月時点で140.7(2015年=100)と過去最高を更新しました。
このような状況下で、家賃だけに頼る経営は、十分な利益を確保しにくい環境にあります。
そこで重要になるのが、物件が持つ「余白」を活用した収入源の多角化です。家賃だけに頼ると、空室が出た場合にそのままダメージを受けます。
しかし、敷地や建物による副収入があれば、空室による収入減を緩和してくれる効果もあります。
一棟物件を経営されているオーナー様は、このコラムをきっかけに収入源の多角化を考えてみてください。

【活用術1】敷地内の空きスペースを見直す
まずは、敷地内の「デッドスペース」を収益源に変える方法を考えてみましょう。人通りの多い物件と相性が良い収入源が、自動販売機の設置です。
敷地の隅や駐輪場の脇など、わずかな隙間さえあれば運用が可能です。しかし、設置にあたっては事前リサーチが欠かせません。
たとえば近所にコカ・コーラの自販機が多いなら、それ以外の飲料メーカーを選んで差別化を図るのが得策です。
自販機の激戦区であれば、売れ筋商品を揃えた「複数メーカーの商品を扱える自販機」を導入するのも面白いでしょう。
また、最近の自販機は飲料だけにとどまりません。レトルトカレーやコーヒー豆、中にはお米を販売するユニークな自販機も登場しています。
入居者や通行人のタイプを分析し、「ここに何があったら喜ばれるか」を読むことが成功への近道です。
自販機設置の注意点としては、電気代を負担する契約の場合、売上が少ないと電気代が収入を上回り、赤字になるリスクがあります。
導入前には、業者に「予測販売本数」などを網羅したシミュレーションを提出してもらい、導入を慎重に検討しましょう。
もう1つの注意点としては、自販機横のゴミ箱が荒れると、物件の美観を損ねるだけでなく、近隣トラブルの原因にもなります。
商品の補充に来るルートマン(補充担当者)に任せきりにせず、管理会社に「清掃のついでにゴミ箱の様子をチェックしてほしい」と一声かけておくと安心です。
もし、敷地にまとまった余裕があるなら、屋外型トランクルームの設置も選択肢の1つです。
トランクルームは、人通りの少ない郊外でも安定した需要が見込めるのが強みといえます。
また、長期空室が続いている部屋自体を倉庫として貸し出すケースもあります。
ただし、郊外でトランクルームや倉庫を運営するなら、利用者が車で荷物を運ぶための「駐車スペース」の確保が重要です。
これを怠ると、無断駐車といった思わぬトラブルを招きかねません。
さらに、直接的な売上ではなく「家賃アップ」を狙うなら、宅配ボックスの設置が有効です。
利便性を高めることで賃料設定を強気にできるだけでなく、退去を抑える強力なフックにもなります。

【活用術2】時代のニーズを取り込む
これからの賃貸経営では、社会の変化をうまく取り込み、家賃以外の「収入源を多角化」することも一つの戦略です。
たとえば、「EV(電気自動車)充電スポット」や「シェアサイクル・ポート」の設置が考えられます。
■幹線道路沿いならEV充電スポット
所有されている物件が幹線道路に面していたり、来客用の駐車スペースに余裕があるなら、EV充電スポットの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
EV充電スポットには、利用シーンに合わせて以下の2タイプがあります。
・経路充電(急速充電): ドライブの途中で充電したい人向け
・目的地充電(普通充電): 商業施設などで滞在している間に充電したい人向け
気になるコストは、工事条件によって幅がありますが、普通充電器で数十万〜200万円台、急速充電器で300万円〜が目安です。
設置費用は、補助金の利用で実質負担を抑えることも可能です。
また、最近では「設置費用0円」を掲げる事業者も存在します。
新しい分野だからこそ、複数の事業者を比較し、ご自身の物件に最適なプランを見極めるのが重要です。
■都心や観光地なら「シェアサイクル・ポート」
「大がかりな設備投資はちょっと」というオーナー様におすすめなのが、シェアサイクルのポート設置です。
自転車数台分のスペースさえあれば始められます。とくに以下のような場所は、高い需要が見込めます。
・駅前やバス停の近く
・大規模駐車場の周辺
・観光スポットの近く
シェアサイクルのメリットは、オーナー側の初期費用や運営費が基本的にゼロであることです。
メンテナンスは運営会社が行うため、手間がかかりません。収益形式は主に以下の2パターンです。
・固定型:スペースを貸し出し、毎月決まった賃料を受け取る
・従量型:利用回数や売上に応じて、一定の割合が還元される
各事業者で内容が異なるため、比較して契約することが重要です。
一般的には、ラック1台あたりで得られる収益は、500〜2,000円程度といわれます。他の施策に比べて、リターンが低いのがデメリットです。

【活用術3】建物自体を活用する
建物の「面」を活用して、新たな収益源を生み出すこともできます。
その代表的な施策が、太陽光発電です。屋上にパネルを設置し、売電収入や自家消費によって利益を得るビジネスモデルです。
初期費用が導入のハードルになりますが、最近は「PPAモデル(第三者所有モデル)」が注目されています。
PPAモデルなら、事業者が費用を負担してパネルを設置するため、「初期費用ゼロ」で導入可能です。
その仕組みは、オーナー様には「売電収入」ではなく、「屋根貸し賃料」または「自家消費分(共用部など)の電気代削減」という形でメリットが還元されるものです。
太陽光発電は、全国の物件で施工可能です。最近は北海道などの寒冷地に特化した施工会社もあります。
注意点としては、周辺に高い建物が立つ予定はないかなど、長期的な視点での検討が欠かせません。
このほか、建物の壁やフェンスを宣伝用の看板スペースにする施策も考えられます。

